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広島地方裁判所 昭和52年(ワ)709号 判決 1978年5月16日

主文

一、被告らが訴外峰本克則に対する別表(イ)欄記載の各債務名義の執行力ある正本にもとづいて同表(ロ)欄記載の各時期に別紙物件目録記載の物件につきなした強制執行をいずれも許さない。

二、訴訟費用は被告らの負担とする。

三、本件につき当庁が昭和五二年八月一二日になした昭和五二年(モ)第七五五号および同年九月一四日になした同年(モ)第八六三号各強制執行停止決定をいずれも認可する。

四、この判決は、第三項にかぎり仮に執行することができる。

事実

第一、当事者の求めた裁判

一、請求の趣旨

主文第一、第二項同旨。

二、請求の趣旨に対する答弁

(被告両名において)

1 原告の請求を棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

第二、当事者の主張

一、請求原因

1  被告らは訴外峰本克則(以下「訴外峰本」という。)に対する別表(イ)欄記載の各債務名義の執行力ある正本にもとづいて同表(ロ)欄記載の各時期に別紙物件目録記載の物件(以下「本件物件」という。)につき照査手続をした。

2  しかし、本件物件は被告らの強制執行に先立つ昭和五〇年九月一日に原告が訴外峰本から譲渡担保契約により所有権を取得したものである。

3  よつて、原告は被告らが本件物件についてした強制執行の排除を求める。

二、請求原因に対する答弁

(被告山本において)

1 請求原因1の事実は認。

2 請求原因2の事実は認。

(被告大崎において)

1 請求原因1の事実は認。

2 請求原因2の事実は否認。

三、抗弁

(被告両名において)

1 原告と訴外峰本間の譲渡担保契約は、被告らからの強制執行をまぬがれるために原告と訴外峰本が通謀してなした虚偽の契約である。

(被告大崎において)

2 原告は、昭和五一年三月五日本件物件を公正証書の執行力ある正本にもとづき差押えたが、右差押えは譲渡担保権者の地位と両立せず右時点で原告は本件物件についての譲渡担保権を放棄したものというべきである。

四、抗弁に対する認否

全て否認。

第三、証拠関係(省略)

別表

執行債権者 (イ)債務名義 (ロ)執行時期

被告山本貞子 大竹簡易裁判所昭和五一年(ハ)第七号貸金請求事件判決 昭和五一年八月一七日

被告大崎喜久男 広島法務局所属公証人佐伯欽治作成昭和四九年第三二八六号公正証書 昭和五二年八月二〇日

物件目録

一、中空成型機 VTP―五五

(鳥羽製作所作製) 二基

以上

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